車を神代家の外れに停めて、トランクから荷物を下ろす。
透夜は俊一が抱えた荷物の量に、目を丸くした。
【透夜】
「……俊一、お前一体なにを買ってきたんだ?」
【俊一】
「何ってさあ、今週号の漫画が三冊だろ、
それからポテチが十袋と、それから――」
【透夜】
「……分かった。それ以上言わなくていい」
透夜は呆れた息を吐いて歩き出す。
【俊一】
「え、手伝ってくれんじゃないの!?」
【透夜】
「ばーか、誰が手伝うもんか。自業自得だ。自分で運べ」
【俊一】
「あ、ヒデェ。透夜のイケズー! なあなあ、羽鳥さん――」
【透夜】
「さっきまで具合が悪かった人間に運ばせるのか、お前は。
羽鳥さん、手伝わなくていいからね」
【夕貴】
「うん、そうする」
【俊一】
「ヒデェ……」
【透夜】
「ほら、荷物落ちそうだぞ」
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