嫌な予感がした。
【俊一】
「えっ、なに…………ちょ」
久瀬はニヤリと笑い、ネクタイを外した。
【俊一】
「えっ……? あの……」
ネクタイで手際よく俊一の手首を拘束すると、端の方をベッドに括りつける。
引っ張ってみるが、緩む気配は無い。
それどころか、引っ張った結果ますますきつく拘束されてしまったようだった。
【俊一】
「へ、変態!!」
俊一は笑顔で頬を撫でてくる久瀬に向かって悲鳴を上げた。
【久瀬】
「変態? 心外だな。ただの趣味だ」
ただの趣味にしては悪趣味すぎる。
やけに手慣れていたとは思ったが、久瀬はこれが趣味だと言い切った。
久瀬は普段からこういうプレイをしているのだろうか。
俊一には全く理解出来ない世界だ。
【俊一】
「この……っ、エロおやじっ!」
【久瀬】
「……おやじ?」
おやじ呼ばわりされ、久瀬の眼鏡が怪しく光る。
【俊一】
「あ……嘘ですごめんなさいっ……」
俊一は思わず目を閉じた。
その様子を見下ろして久瀬は満足げに微笑むと、俊一に圧し掛かる。
Tシャツを首までたくし上げて胸筋をあらわにさせると、
久瀬は俊一の腹筋を指でなぞり、感心したように呟いた。
【久瀬】
「いい身体をしてるじゃないか。女泣かせって感じだな」
そして、適度な筋肉の付いた胸先にある突起に手を伸ばす。
【俊一】
「わっ、ちょっと……」
久瀬は女にするように俊一の突起を指先で摘み、押しつぶす。
そして、つい先刻俊一を虜にした舌をそこへ這わせると、
わざと音をたてて吸い、舐めあげた。
生温かく濡れた感触が、生き物のように動き、胸をくすぐる。
俊一はたまらずに甘い声を漏らした。
【俊一】
「あっ、あっ……ああっ!!」
【久瀬】
「何だ、こんなところが感じるのか」
女の子みたいだと久瀬に鼻で笑われ、俊一は涙目で赤面した。
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